こんなお悩みを解決します。
これから妊活を始めようとしている同性カップルさんのなかには、「海外精子バンク」を利用したいと考えている人も多いのではないでしょうか?
精子バンクと一口に言っても、世界には星の数ほどの会社が存在します。
なかでも、「Cryos International(クリオス)」はデンマーク最大級の老舗精子バンクであり、日本語窓口のある珍しい精子バンクです。
日本語でやり取りができ、実績も申し分ないため初めて精子バンクを利用する同性カップルさんにおすすめです。
とはいえ、「精子バンクって一体どれくらいの費用がかかるの?」、「費用が高そう…」といった声も多いはず。
そこで、この記事では【日本の同性カップルにおすすめ!海外精子バンク「クリオス」の費用】を徹底解説します。
この記事を見ることによって、クリオスを利用して妊活を始めるイメージが掴めるはずです。
それでは、どうぞご覧ください。
25歳で初めて女性と交際。その女性こそが現在のパートナーである。
2018年に養子縁組。その後すぐに海外精子バンク(Cryos International)を利用して妊活をスタートする。
2019年に顕微授精でYuriが妊娠→2020年に女の子を出産。
2020年に人工受精でパートナーが妊娠→2021年に女の子を出産。
2021年に凍結胚移植でYuriが妊娠→2022年に女の子を出産。
現在は、パートナーと3姉妹の子育て中。
・海外精子バンク「クリオス」の費用はどれくらい?
・妊娠率とクリオスでの精子の選び方
・クリオスを利用してかかった費用を公開【実体験】
海外精子バンク「クリオス」の費用はどれくらい?
これから妊活を考えているカップルの中には、精子バンクを検討されている方も多いことでしょう。
とはいえ、精子バンクの実際の費用を知らないとなかなか前に進みづらいはずです。
そこで、ここでは【海外精子バンク「クリオス」でかかる費用】を徹底解説しますね。
まず、精子の値段を決めるのは「情報」、「オプション」、「精子の運動率」という3大要素によって大きく価格が変わってきます。
価格の変動に関係する内容について、詳しくみていきましょう!
・基本料金
・「IUI用」か「ICI用」にするか
・ドナー情報を知れば知るほど、高くなる
・妊娠治療枠の予約料
・ドナー独占権
・配送料
・取り置き料
基本料金
クリオスでは、精子の「基本料金」というものを設定しています。その基本料金も38€〜1911€までと幅があり、精子の運動率などによって大きく変動します。
「IUI用」か「ICI用」にするか
クリオスでは、簡単に凍結・融解ができる”ストロー”に入った精子を購入することができます。
ほとんどの精子ストローは0.5ミリリットルの精子が含まれており、「精子の運動率」と「タイプ(IUI用あるいはICI用ストロー)」によって費用が異なります。
「IUI用」とはクリオスであらかじめ洗浄された精子のことで、「ICI用」は無洗浄・未処理の精子のことを指します。
クリオスにて洗浄・処理された「IUI用」の精子ストローの方が若干費用も上がります。
ドナー情報を知れば知るほど、高くなる
恐らく、未来の赤ちゃんのために、詳しいドナー情報が欲しいと考えているカップルさんは多いのではないでしょうか?
ドナー精子の価格は、ドナーについてどのくらいの情報を求めるかによって大きく変動します。
簡潔にいうなら、ドナーについて見たり知ったりするほど費用は高くなります。
「身元開示」あるいは「身元非開示」であれば、身元開示されているドナーの方が費用が高くなります。
さらに、「基本プロフィール」を選ぶよりも、「詳細プロフィール」を選んだ場合には費用が上がるような仕組みです。
・身元開示ドナー>身元非開示ドナー
・基本プロフィール<詳細プロフィール
とはいえ、クリオスによると、多くの同性カップルが費用は多少上がっても「詳細プロフィール」を選択する人が多いとのことです。これは、妊娠をカップルたちはドナーとなる人物のことをよく知りたいと思っている表れですね。
妊娠治療枠の予約料
治療を受ける国によっては、「妊娠可能枠の予約」が必要となります。
これは2021年から始まった制度なので、私が精子購入をした2019年にはなかったものです。
これが導入された理由としては、ドナー1人あたりの妊娠の数、子どもの数、女性の数、家族の数を制限し、国内での上限数を定めているためです。
この制限を超えないようにするため、クリオスでは「妊娠可能枠の予約」という仕組みを導入しています。
もちろん、日本でも妊娠可能枠は決められているので、精子を購入する際はこの料金を支払わなければなりません。金額目安はおおよそ以下の通りです。
・身元非開示ドナー 200ユーロ
・身元開示ドナー 350ユーロ
ドナー独占権
ドナーの提供した精子を、自分たち以外のほかのご家族が一切使えなくなる「ドナー独占権」というものがあります。
カップルさんの中には、自分たちの子どもの遺伝子を大切にしたいと考える人も少なくありません。
このドナー独占権を購入する場合には、一括買取りとなります。
費用は 45.000ユーロ(税込)となっており、「クリオスでの10年間の精子ストローの保管料 」、「3回の無料配送」、「妊娠可能枠」、「当該ドナーの精子ストローの在庫」が全て含まれています。
配送料
配送料は、配送先と配送方法によって異なります。
日本へは一律、「大型窒素タンク」で配送することになります。
大型窒素タンク | 573ユーロ 耐用日数12日間(クリオスからの発送日を含む) |
---|---|
お急ぎ手数料 | 113ユーロ(税抜) |
※注意 | EU圏外への配送には保証金1,200ユーロが求められることがある |
将来の兄弟姉妹のために取り置きする(取り置き料)
将来、子どもに兄弟姉妹を作ってあげたいと考えている人もいるかもしれません。
そんなカップルさんは、次に使うときの為に同じドナー精子を取り置きしておくことも可能です。
取り置きをする場合には、「精子ストロー料金」と「保管料」がかかります。
・3ヶ月 87.50€
・6ヶ月 150€
・1年間 237.50€
・3年間 600€
・5年間 825€
・10年間 1,500€
支払いは「クレジットカード」か「銀行振込み」で
支払いは「クレジットカード」を用いてオンラインで支払いする、もしくは「銀行振り込み」が選べます。
クレジットカードでの支払いが最も安全で迅速な支払い方法となっており、注文後すぐに精子を配送してもらうことができます。
銀行振り込みは、クリオスに振り込まれるまで最長3営業日かかることがあるため、注文品の発送の際には注意が必要です。
妊娠率とクリオスでの精子の選び方
クリオスでドナー選び始めると、ドナーごとに値段が異なることに気がつくと思います。
いいえ、違います。
ズバリ精子の価値を決めるのは「運動率」です!
精子バンクでは妊娠を目的としているので、「運動率」こそが精子の値段に反映されるのです。
とはいえ、クリオスのドナー達は厳しいスクリーニング検査を突破してきた「エリート」たちなので基本的にはどのドナーの精子も元気で運動率も問題ありません。(クリオスのドナーに選ばれる確率はなんと全体の5%!)
ここからは、「どの程度の運動率を持つ精子を選んだらいいか」という疑問を解消する為に【クリオスでの精子の選び方】を詳しく解説していきますね。
※ストローには、「IUI用」と「ICI用」の2種類があり、「IUI用」はクリオスであらかじめ洗浄された精子が入っています。一方、「ICI用」では無洗浄・未処理の精子です。
・IUI用:1回の人工受精につきMOT10(またはそれ以上)のストローを1本用意することを推奨。
・ICI用:MOT5のストローを4本、またはMOT10のストローを2本、もしくはMOT20のストローを1本選ぶことを推奨。
(IUIの準備作業を医療機関が行う前提です)
もし、不妊治療を受ける医療施設がIUIの準備作業ができない、もしくは自宅にてシリンジを行う場合は「IUI用」の精子ストローを購入しましょう。
一方で、きちんと精子の洗浄ができる環境の整った医療施設で治療を受ける場合には「ICI用」での精子ストローでOKです。
・MOT5またはMOT10のIUI用/ICI用ストローを1本選ぶことを推奨。
もし、あらかじめ体外受精にて治療を受けることが決まっているなら、基本的に購入する精子ストローは1本で十分です。
なぜなら、1本の精子ストローで複数の卵を受精させることができるからです。
私も妊活当時はそのことを知らずに4本も精子ストローを購入してしまいました。
結果的に、私は36個の卵子を採卵できましたが、使用した精子ストローはたった1本でした。
みなさんも余計にお金を支払わないで済むよう、声を大にしてもう一度言います。もし体外受精と決めているなら「1本の精子ストロー」で十分ですよーーー!!!
ちなみにですが、「IUI用」もしくは、「ICI用」にするかは、治療する医療施設に精子処理をする環境があるかで異なりますので、一度医療機関に尋ねてみることをおすすめします。
・MOT2のストローが1本あれば十分。IUI用・ICI用のいずれのストローも利用可能。
顕微授精は1つ1つの卵に元気そうな精子を注入していくので、こちらも体外受精同様「精子ストロー1本」で十分です。
しかも、精子は人の手を使って卵子に注入されるので「特別元気な精子」でなくてもOKなのです。
私は顕微授精での妊活でしたが、当時の私はそんなことを知らずに「MOT20(超高級精子)」の精子を使ってしまいました…。
このように、受ける治療法によって購入する精子ストローは異なるため、是非参考にしてみて下さいね!
最後に、【MOT数による精子の金額の目安】を一覧にしました。(いずれもストロー1本の費用です)
・MOT2(IUI用):€475.00〜
・MOT5(IUI用):€950.00〜
・MOT10(IUI用):€300.00〜€1,344.00
・MOT20(IUI用):€593.00〜€1,605.00
・MOT30(IUI用):€794.00〜€1,911.00
・MOT10(ICI用):€248.00〜€656.00
・MOT20(ICI用):€126.00〜€1,281.00
・MOT30(ICI用):€1,202.00〜
クリオスドナー検索でざっくり見た感じの費用です。
費用はMOT毎に統一されている訳ではなく、ドナーによってさまざまでした。
もし、気になるドナーがいたらそのドナーの費用を調べてみるといいですね。
クリオスを利用してかかった費用を公開【実体験】
私は現在、同性パートナーと3人の子どもの子育てをしています。
その3人の子どもたちは私とパートナーがそれぞれ出産したのですが、ドナーさんは「クリオス」で見つけました。
クリオスからドナー精子を提供してもらったからこそ、今の私たち家族がいるので本当に感謝しかありません。
とはいえ、海外精子バンクを利用するのに、正直1番ネックとなったのが「お金」です。
これはもう仕方がないことですが、精子ストローを日本へ送る輸送費が高過ぎます…(泣)。
独身時代に頑張って貯めた貯金が、精子バンク利用と不妊治療費でぶっ飛びましたが、身近に精子提供してくれる親族や知人を見つけていない私たちにとっては「海外精子バンク」は頼みの綱でした。
そこで、ここで私が【実際にクリオスを利用してかかった費用】を大公開します。
これからクリオスを利用したい方の参考になればと思います。
Yuriがクリオスで精子を買ったときの費用【大公開】
私がクリオスを利用する際の【ドナー条件】と【実際にかかった費用】はズバリ以下の金額です。
・非匿名
・基本プロフィールのみ
・独占権なし
・予約可能枠料なし(2019年当時はこの仕組みがなかった)
・MOT5〜MOT20までの合計8アンプル購入
IUIとICIのドナー精子(8本) | 4,600ユーロ(約72万5,000円) |
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基本プロフィール | 0ユーロ |
身元開示 | 350ユーロ(約52,100円) |
妊娠可能枠 | 350ユーロ(約52,100円) |
項目名送料(大型窒素タンク) | 573ユーロ(約85,400円) |
合計 | 5,873ユーロ(約92万5,600円) |
私たちが購入した際には、まだまだ円高だったので実際には90万円までは行かなかったと思います。
ちなみにですが、私はパートナー同じドナー精子を利用するために余裕を持って8本の精子ストローを購入しました。
運動率はMOTは5〜20までのものを購入しました。
・MOT20:2つ
・MOT10:5つ
・MOT5:1つ
ちなみにですが「MOT」とは精子の運動率のことで、この数値が大きくなればなるほど運動率の高い希少な精子となります。お値段もMOTの数値が上がるのと比例します。
もし、詳細な情報や体験談が知りたい方は、「リアルな精子バンク体験談!同性カップルで「家族」を作る選択肢」の記事をご覧ください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「精子バンクってこんなにお金がかかるの?!」
「精子バンクの相場がわかったし、これからお金を貯めよう」
「これくらいの費用ならなんとかなりそう。よし、トライしてみよう」
と、さまざまな感想があるかと思います。
正直、今は円安で精子自体の値上がりもあり、クリオスでトライするのに躊躇してしまうこともあるかと思います。
とはいえ、妊娠できるタイムリミットは限られているし、「お金」と「タイムリミット」で心が揺れ動きますよね。
そんなときは、パートナーと相談して妊活計画を練り直すのも1つです。
時期をずらす、共通の知人から提供してもらう、お金を借りて海外精子バンクを利用してみるなど、さまざまな選択肢があるはずです。
大切な計画だからこそ、よくパートナーと話し合って最善の選択をしてくださいね。