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リアルな精子バンク体験談!同性カップルで「家族」を作る選択肢

同性カップル
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これから精子バンクを利用して妊活を始めようかな。けど、海外の精子バンクって本当に大丈夫?実際に利用したことのある同性カップルのリアルな体験談が聞きたいな〜

こんな声に答えます。

「海外精子バンク」を利用したいけど、利用方法が難しそうだったり費用がれれくらいかかるのか不安に感じていませんか?

なかなかデリケートな内容なので相談しづらかったり、日本ではそもそも同性カップルで妊活をしている人が少なかったりもします。

とはいえ、このまま行動せずに貴重な時間を無駄にはしたくないはず。

そこで、LGBTQ当事者で3人の子どもの母である私が、実際に海外精子バンクを使った経験をもとに【同性カップルのリアルな精子バンク体験談】を公開します。

みなさんの疑問や不安をクリアにして、明日から妊活に向けて行動できるよう背中を押したいと思います。

そして「家族をつくる」という夢を、共に実現していきましょう!

この記事を書いた私(Yuri)について

25歳で初めて女性と交際。その女性こそが現在のパートナーである。
2018年に養子縁組。その後すぐに海外精子バンク(Cryos International)を利用して妊活をスタートする。
2019年に顕微授精でYuriが妊娠→2020年に女の子を出産。
2020年に人工受精でパートナーが妊娠→2021年に女の子を出産。
2021年に凍結胚移植でYuriが妊娠→2022年に女の子を出産。
現在は、パートナーと3姉妹の子育て中。

この記事を読んで分かること

・精子バンクを利用する際にパートナーと話し合うべきこと
・精子バンクを利用したときの流れ
・精子バンクのリアルな体験談

精子バンクを利用する際にパートナーと話し合うべきこと

精子バンクを利用する際にパートナーと話し合うべきこと

精子バンクを利用して妊活を始める前に、まずはパートナーとじっくり話し合う機会を持ちましょう。

なぜなら、「子どもを持つ」ということは、人生が大きく変化するライフイベントの1つだからです。

妊娠・出産ももちろん大変ですが、本当に大変なのは「子育て」が始まってからです。2人だけの甘〜い生活から一変し、激動の日々が始まります。

実際、私もパートナーと2人きりで生活していたときとには、仕事終わりに一緒にお酒を飲みながら映画を楽しんだり、長期休暇には海外旅行なんかも行っていました。

しかし、子どもが生まれてからは映画どころかテレビはほぼ観ないですし、お休みの日は近所の公園か支援センターに行くようになりました。海外旅行なんて夢のまた夢です…。

このように、子育ては良い意味でも悪い意味でも人生が大きく変わります。

子どもが小さい頃は特に目が離せないので、パートナーと協力し合わなければ乗り越えていけません。

また、日本では「同性カップル」で子どもを持つ事例がまだまだ少ないのが現状です。

将来、子どもたちに自分たちの家族の形をどのように伝えていくのか、ドナーさんとの関係をどう築いていくか決めるのは、親であるあなたたち次第です。

そのため、子どもに出自をどのように伝えていくべきかを「妊活を始める前から」決めていかなければなりません。

なるほど…。確かに事前にパートナーと話し合っておいた方が良さそうだけけど、具体的にどんなことを話し合えばいいの?

そんな疑問を解消するため、私がパートナーと話し合った経験をもとにいくつか内容を紹介しますね。

・「生まれた子どもに障がいがあったら、どうする?」
・「精子提供で生まれたことを、子どもにどのように伝える?」
・「両親や祖父母に子どものことを、どう伝える?」
・「子どもが精子提供者について質問してきたら、何と言う?」
・「子どもが18歳になり精子提供者に会いたいと言ってきたら、どう対処する?」
・「子どもが幼稚・保育園・小学校にいったら、先生にはどのように対処する?」

「生まれた子どもに障がいがあったら、どうする?」

障がいを持って生まれた子どもの親たちは、生涯に渡り子どものケアを求められます。

そのため、ライフプランを変更せざるを得なかったり、兄弟にも影響があるかもしれません。

そのため、どのように子育てに向き合い、親子の絆を深め、ありのままに子どもを認めていくのか深いところまで話し合わなければなりません。

また、最近では妊娠中に胎児の染色体異常の可能性を調べられる「NIPT(スクリーニング検査)」を受けることができるようになりました。

NIPTとは:妊娠10~16週に採血を行い、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーについての可能性(陽性、陰性、判定保留)を調べるスクリーニング検査のこと。

この検査は任意であり、全員がスクリーニング検査を受ける訳ではないのですが、私の周りではNIPTを受ける友人が1/3位の割合でいました。

私とパートナーは、「子どもに障がいがあっても、受け入れて出産する」と話し合って決めていたため、NIPTを受けないと決めていました。

しかし、私が長女を妊娠中に「胎児の首の浮腫が基準より大きいため、ダウン症の可能性があるかもしれません。専門の病院で詳しく検査しますか?」と聞かれたのです。

当時はやはりショックを受けて、数週間悩みまくりました。事前にパートナーと「子どもの障がい」についてよく話し合いをしていたのにもかかわらずです。

「子どものすべてを受け入れ、愛せるのだろうか」
「自分には障がいを持った子どもを育てていけるのだろうか」
「パートナーと協力し、生涯に渡ってケアをし続けられるのだろうか」

本当に、本当に毎日悩みました。

しかし、どんな子どもでも生きるチャンスがあり、親である私たちは全力でサポートしていこうと決めていたので、結局専門の病院に診てもらわず、出産まで過ごしました。

この経験から、事前にパートナーと「子どもの障がい」について事前に話し合いを持つことが大切だと再確認しました。

これから妊活を始める同性カップルのみなさんにも、しっかりと向き合うべき内容かと思います。

「精子提供で生まれたことを、子どもにどのように伝える?」

日本で子育てしている同性カップルはどれくらいいるのでしょう。

きっと、まだまだ欧米諸国に比べると少ないはずです。

そのため、ある程度の年齢になったら「どうしてパパがいないの?」と聞いてくるかもしれません。そのときこそ、子どもに事実を伝えるタイミングです。

精子提供で生まれてきたという真実を分かりやすく伝える必要があります。

子どもが小さくても理解できるように伝えるのは難しいですが、言葉ではなく「絵本」で伝えるのも1つの方法です。

私も長女を妊娠中、子どもの出自・ルーツを分かりやすく伝えられるように手作り絵本を作成しました。

手作り絵本

クオリティーは高くありませんが、子どもが理解しやすい内容になっているはずです。

もちろん、書店でも多様な家族の形を知ることのできる素晴らしい絵本は沢山あります。

小さな子どもから大人まで!楽しく学べるLGBTQ絵本おすすめ10冊」でおすすめの絵本を紹介しているので、この機会にぜひ1冊お子さんの将来のために持っておきませんか?

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「両親や祖父母に子どものことを、どう伝える?」

両親や祖父母は、あなたたちのパートナーシップをどのように感じていますか?

子どもを持つタイミングでカミングアウトする人も多いでしょう。

両親や祖父母があなたたちのことを受け入れてくれている場合、子育ての大きな味方になるはずです。

しかし、なかには「伝統的な家族ではない」と否定的な意見を持つ場合もあるかもしれません。特に、祖父母の世代ではその傾向が高まります。

いずれにせよ、両親や祖父母には子どものことをどのように伝えるかパートナーと話し合って決めていく必要があります。

「子どもが精子提供者について質問してきたら、何と言う?」

子どもがドナーについて質問してきたら、どのように伝えるか考えるのは非常に重要なことです。

子どもが質問してきたらきちんと説明するのは親の責任でもあります。

しかし、ドナーのことをあまり知らない場合もありますよね。

そんなときは、子どもが情報を求めたらしっかりと開示できるような環境を作っておくことが大切です。

例えば、精子バンクを利用するなら「非匿名ドナー」を選択していつでも情報開示できるようにしておく、また、第三者からの精子提供を受けた場合にはいつでも連絡が取れるようにしておく、関係を絶たずに繋がっておくといったことです。

「子どもが18歳になり精子提供者に会いたいと言ってきたら、どう対処する?」

子どもが「ドナーについて知りたい」と感じるのは自然なことです。

ある程度の年齢になると、自分のルーツを知りたいと感じるかもしれません。特に、同性カップルの子どもは遺伝的繋がりのあるドナーに会いたいと思う人も少なくないはずです。

その際に、子どもにどのように伝えていくのか、ドナーと会う機会を設けるのか決めなければなりません。

将来子どもがドナーと会う可能性を考えて選ぶ必要があるため、できればドナーを決めるタイミングに考えておきましょう。

「子どもが幼稚・保育園・小学校にいったら、先生にはどのように対処する?」

子どもが幼稚園や小学校に通い始めると、先生に真実を伝えるか悩むことになるかもしれません。

そのとき、「先生に同性カップルであることを伝える」もしくは、「シングルマザーとして振る舞う」という2つの選択肢があります。

どちらを選択するかはカップルの考えによって異なるかと思います。

そして先生に本当のことを伝える場合、おそらく先生たちにとっては初めての事例になるでしょう。

なぜなら、日本ではまだまだ同性カップルで子育てしている家庭が少ないからです。

そのため、最初はお互いに手探りの状態になることもあるかもしれませんが、「同性カップルの子育て」を理解しようとしてくれるはずです。

私たちも、保育園の先生に同性カップルで子育てしていることを伝えています。

もちろん保育園では初めての事例で、そもそもLGBTQについて理解している先生は少なかったのですが、性的マイノリティーに関する本や絵本を渡して読んでもらうなどして、少しでも私たちのことを知ってもらうように努力しています。

そのなかで1つ驚いたことがあります。長女が通う保育園の園長先生がオランダに住んでいた経験がある人で、先生の方から「園の子供達に多様性の絵本を読んでもいいですか?」と向こうから聞いてくれたことです。

先生が言うには、「オランダでは同性カップルの子育ては一般的で、特別ではない。日本ではまだ少ないこともあり、子どもたちが2人ママに疑問を持つかもしれないので、疑問を持つ前に少しづつ伝えていきたい」とのこと。

オランダの多様性への理解が進んでいることが分かりますよね。

とはいえ、なかには同性カップルに対する「ステレオタイプ」を持つ先生もいるかもしれません。

そのような場合は、思い切って環境を変えるという選択肢もあります。

人の考え方・価値観はさまざまなので、同じような価値観を持った人のいる環境に移った方が子どもが伸び伸びと過ごしていけるはずです。

精子バンクを利用したときの流れ

精子バンクを利用したときの流れ

続いては、自身の精子バンク利用経験をもとに【精子バンクを利用する際の具体的な手順】を解説していきます。

「海外の精子バンクの注文は英語だし、複雑で難しいのでは?」と感じている人が多いかと思います。しかし、私が利用した「Cryos International」では日本窓口が開設されているので日本語で注文可能です。

おおまかに、以下のような流れで進めていくことになります。

STEP①:ドナーを選ぶ際の優先順位を話し合う
STEP②:ドナーを選ぶ
STEP③:精子の注文
STEP④:精子の発送と配送
STEP⑤:精子の受け取り、タンク返却

STEP①:ドナーを選ぶ際の優先順位を話し合う

皆さんもご存知の通り、精子バンクには数百人のドナーが登録されています。

人種、国籍、宗教、言語、ビジュアルもさまざまで、その中から未来のドナーをたった1人選び抜かなければなりません。

しかし、自分の思い描く理想を全て満たす「完璧な」ドナーを探していると、永遠にドナー探しは終わらないでしょう。

そのため、パートナーと話し合い「ドナー探しで譲れない条件」を決めましょう。

例えば、

・血液型が同じ
・日本人、もしくはアジア系のルーツである
・非匿名である

など、カップルの考え方・価値観によって条件はさまざまかと思います。

ここで重要なのは、条件を3つ以内に絞り、優先順位をつけることです。

私の場合、「子どもが18歳になって本人が望めば情報開示できること」、「髪色と瞳の色がブラックであること」を条件にドナー探しをしました。

あとは、ドナーの写真を見てインスピレーションで決めたので1週間程でドナーが決まり、すんなりと妊活に進むことができました。

STEP②:ドナーを選ぶ

ドナー探しの条件を話し合ったら、実際にサイト内で「ドナー検索」をしてみましょう。

ポイントとなる点を少し解説していきますね。

まず、ドナー選びでまず決めるべき条件が「匿名」「非匿名」かを決めることです。

匿名ドナー:サイト内のプロフィール以外の情報を知ることができない
非匿名ドナー:子どもが18才になったときにドナーを特定できる情報を受け取ることができ、ドナーへ連絡を取ることができる

もし、子どもの出自を知る権利を保護したいなら「非匿名」を選ぶべきですし、ドナーの基本的な情報以外は望まないのなら「匿名」でもOKです。

とはいえ、個人的には将来子どもにとって自分のルーツを辿れる選択肢を持つことは大切だと思うので「非匿名」の方がいいのかな、と個人的には感じます。

これは非常にパーソナルなことなので、パートナーと真剣に話し合いましょう。

STEP③:精子の注文

ドナーが決まったら、いよいよ精子の注文に進みます。

「ドナー精子の注文ステップ」は以下のとおりです。

①個人アカウントの作成
②ドナーの選択
③注文(もしくは取り置き)
④配送方法の選択
④支払い

注文の際に、将来「兄弟」を望んだときに同じドナー精子を使えるように“取り置き”しておくことも可能です。

最初に取り置き期間を選びますが、後から延長するのこともできます。

非常にシンプルな手順ですが、イメージしやすいように良ければ動画もご覧ください。

(ドナー精子の注文方法)

STEP④:精子の発送と配送

続いて、ドナー精子の発送と配送について触れていきます。

精子を日本に送る際には「大型窒素タンク」(40x30x30センチまたは52x37x37センチ)を利用することになります。

タンクは窒素により-196°Cまで冷却されているため、精子ストローを使用する直前までタンクを開けないようにしましょう。
ドナー精子ストローは、使用するまで窒素タンクの中で保管するか、不妊治療クリニックで別の窒素タンクに移して保管するようにしてください。

不妊治療クリニックで保管してもらう場合は、配送してからすぐに保管してもらえるので大丈夫かと思いますが、自宅でシリンジ法を行う際には自身で日数計算が必要です。

自身の排卵日と配送日をきちんと計算しておかないと、最悪の場合精子が使えなくなってしまうことがあるので注意が必要です!

耐用日数一覧

・窒素タンク:7日間(発送日を含む)
・大型窒素タンク:12日間(発送日を含む)
・ドライアイス容器:3日間(発送日を含む)
・大型ドライアイス容器:5日間(発送日を含む)
※自身が選択する発送日を1日目として、タンクまたは容器での凍結保管日数を計算すること。

STEP⑤:精子の受け取り、タンク返却

無事に発送が完了したら、待ちに待った精子の到着を待ちましょう!

自宅に送ってもらう場合には立ち会い(サイン)が必要となります。

一方、不妊治療クリニックに送る場合には医療従事者が受け取りを行うので立ち会いの必要はありません。

無事に精子が自宅に届いたら、まずは中身が揃っていることを確認しましょう。

発送時に同梱される書類

・梱包リスト
・ドナーの検査結果及び法的基準に関する情報を含むドナー記録概要
・ドライアイス(CO2)または窒素タンク(LN2)の取り扱いに関する安全上の注意事項
・窒素タンクの返却方法(窒素タンクにて配送した場合)
・窒素タンク返却用の配送ラベル(窒素タンクにて配送した場合)

また、窒素タンクは使用後に精子バンクまで返却する必要があるので忘れずに行う必要があります。返却方法は、同梱される書類に入っているので確認しましょう。

不妊治療クリニックで受取してもらった場合には、クリニックが返却してくれるので何もしなくて大丈夫ですよ。

精子バンクを利用したリアルな感想

精子バンクを利用したリアルな感想

ここまで、「精子バンク」の利用の流れをみていただきましたが、実際に利用してみたリアルな感想を聞きたいと思っている人も多いはずです。

そこで、ここではLGBTQ当事者であり、海外精子バンクを利用して妊娠・出産を経験した私が【精子バンクの体験談】を大公開します。

リアルな体験談や感想を聞くことで、より精子バンクを利用するイメージが湧くのではないでしょうか。

まずは、私とパートナーがどのように妊活を進めたのか簡単にみていきます。

2018年:パートナーと養子縁組。将来「2人で子育てしたい」という夢を叶えるため、どんな方法があるのかインターネットで探し始める。
何度か話し合いを重ねた結果、「海外精子バンク」でドナーを探し妊活を進めることに。最初に妊活にトライするのは私(Yuri)。

2019年:妊活方法について考え、「顕微授精」で始めることに。「採卵」を無事に終えて「胚移植」を行い、1回目のトライで妊娠。
勤務先の規定で、妊娠判明後はすぐに休職となり、出産までは仕事をせずに産休へ。妊娠初期に「切迫流産」で入院し、1週間ほどで退院。

2020年:パートナー立ち会いのもと第一子となる長女を無事に出産。出産と同じくらいの時期に「新型コロナウィルス」が世界中で流行し、パンデミックへ。
出産後は子育てイベントなども軒並み閉鎖で”孤独”な育児を経験。
夏頃にパートナーが「人工受精」にて妊活を開始し、1回目のトライで妊娠。
妊娠5ヶ月で「子宮筋腫」が痛みだし、5日間ほど入院となる。

2021年:新型コロナの感染者数が多いため、関西ではなくパートナーの実家である四国での里帰り出産を決める。
そして、パートナーが無事に次女を出産。
四国での病院では私の立ち会い出産は認められず、義母が付き添う。
私もパートナーも育休が被ったため、半年間四国で暮らす。(パートナーの実家)
私の強い希望で第三子の妊活を進めることになり、凍結胚移植1回目のトライで妊娠。
全ての妊活を終えることに決め、残りの凍結胚と提供精子を廃棄する。

2022年:パートナー立ち会いで三女を無事に出産。
パートナーは育休が終わり、仕事復帰へ。3人の子どもの母として子育てに奮闘。

養子縁組、そして妊活を決めるまで

養子縁組、そして妊活を決めるまで

私たちは2018年に養子縁組をして「戸籍状の家族」となりました。

2人とも将来は「子どもを持ち、育てる」というビジョンが明確だったので、新婚生活を楽しむというよりは割とすぐに妊活にトライしようと考えるようになりました。

当時は、私(Yuri)が28歳、パートナーが34歳だったので、普通に考えると年齢の高いパートナーが先に妊活を始めることになると思うのですが、私たちは違いました。

新しいことに挑戦することが大好きで、「同性カップルで妊活」という未知の経験をしてみたかった私は、どうしても先にトライしたいとパートナーにお願いしたのです。

そして、2回トライして妊娠しなかったら、パートナーが先に妊活を始めるという条件付きで先に妊活をスタートすることとなりました。

今考えるとかなり強引に進めてしまいましたが、全て結果オーライです(笑)

これから妊活にトライする同性カップルさんは、「どちらから先に妊活を始めるのか」をしっかり話し合って下さいね。

なぜなら、妊活を進めるにあたって1つ1つの意思決定に納得して前に進んでいかないと、後々ケンカやトラブルの原因になる可能性があるからです。

妊活を始める前に、時間をかけて2人でじっくり向き合う時間を作りましょう。

ドナーを決める条件

ドナーを決める条件

「どんな人物にドナーになってもらうのか。」

妊活を進める上で、これは非常に重要な意思決定の1つでした。

そもそも、なぜ精子バンクに辿り着いたのかと言うと最初は身近な友人に依頼することも考えていましたが、なかなか信頼できる人に出会うことができなかったからです。

また、何かあったときにトラブルになるのは嫌だったので、少しお金はかかるけれども「精子バンク」を利用することが私たちにとっては一番良い選択肢でした。

とはいえ、実際に精子バンクでドナー探しを始めると何百人のドナーから1人に絞り込むのは至難の業…。

身長、学歴、人種、国籍、ビジュアル…考慮すべき条件は沢山ありましたが、最終的には「子どもが18歳になったらドナー情報を開示できる非匿名ドナー」であることを条件に探しました。

また、当時は「日本人ドナー」がいなかったので、できるだけ私たちの外見の特徴に合うようなドナーを探すようにもしていました。結果的に、瞳と髪の色がブラックのドナーを選び、注文することになりました。

ドナー条件まとめ

・18歳になり、子どもが求めたら情報開示できる
・外見の特徴が似ている(瞳の色、髪の色がブラック)

私たちは上記の条件で探しましたが、この条件はカップルの考え方によって変わるものだと思いますし、もちろん正解はありません。

自分たちの大切にしている価値観で探すようにしてみてくださいね。

妊娠期間中の「2人のすれ違い」

妊娠期間中の「2人のすれ違い」

どちらかが妊娠すると、生活が一変します。

妊娠した方は、つわりやホルモンの変化でイライラしやすくなり、以前のように家事が全力でできなくなってしまいます。

もう一方は、妊娠したパートナーの分まで家事をフォローしなくてはならなくなります。

恐らく、2人とも働いている場合が多いかと思うので、2人ともそれぞれに負担がかかりストレスが溜まっていくはずです。

私たちの場合も、私はつわりで1日に何度も吐いてダウンしました。もちろん、家事や料理もほとんどできなくなります。加えて、妊娠初期に「切迫流産」と診断されて入院も経験しました。

一方、妊娠中のつわりや体調の変化を経験していないパートナーは、「なぜこんなに動けないのか」と少しづつ不満が溜まっていきます。

すると、2人とも常にイライラして些細なことでもケンカになっていきました。

とはいえ、2人とも妊娠を経験した今思うことは、やはり「妊娠」というプロセスをお互いに共有できるというのは同性カップルの素晴らしいところだと感じます。

お互いの両親の反応

お互いの両親の反応

私たちは妊活を始める前に、「子どもを作りたい」とお互いの両親に話をしていました。

やはり、妊娠・出産という人生の大イベントでは2人だけで全てを乗り越えていくには限界があります。恐らく、多くの母親が両親の助けを必要とするでしょう。

そんなとき、私たちが「妊娠したこと」を伝えず、出産してから急に「助けて欲しい」と連絡が来たら両親はどう思うでしょうか。

結果的に、お互いの両親には「子どもができたことを早く伝えることが大切だ」という結論に辿り着きました。

両親に伝えるときは本当に緊張しましたが、お互いの両親は妊娠したことをとても喜んでくれて、手厚く産後のお世話もしてくれました。

私たちがこの妊娠・出産を経験して思ったことは、「異性カップル」や「同性カップル」に関わらず、子どもが誕生するという素晴らしいイベントを共有することの大切さです。

とはいえ、全ての両親が私たちの両親のような反応ではないかもしれません。

もちろん、あなたの両親はあなたの親なので、心の中で「幸せになってもらいたい」と思っているはずです。そんな気持ちが不安となって現れることもあるでしょう。

そんなときは、いくら口で説明しても時間がかかります。なので、2人で愛情込めて子育てしている様子を見せてあげましょう。時間はかかるかもしれませんが、次第に応援してくれるようになるはずです。

周りの反応、そして私たちの生き方

周りの反応、そして私たちの生き方

子どもを出産してから、私たちはいろいろな場所に足を運びました。

支援センターや地域の子育て交流会なんかにも積極的に参加しましたし、近所のママ友と仲良くなったりもしました。とはいえ、同性カップルで子どもを連れていくのには少し勇気が必要ですよね。

「周りの人になんて思われるだろう…」

私自身も最初の頃はこう思っていました。

しかし、隠さずに本当のことを伝えると、私たちの周りではみんなすぐに受け入れて「素敵な家族だね」と言ってくれるようになりました。とてもありがたいことです。

しかし、世の中にはさまざまな考え方・価値観を持つ人がいます。なかには否定的なことを言う人もいるかもしれません。

そんなときは、「こんな考え方の人もいるんだなぁ」と軽くスルーしたらOKです。

それはその人の「考え方」なのです。

生き方に「正解」なんてないですし、あなた自身が幸せならそれでいいのです。

合わない人と無理に付き合う必要はないですし、どうせ仲良くなるなら「あなたの家族って素敵だね」と言ってくれる人と一緒にいる方が楽しいはずです。

私たちは子どもが生まれてから、「同性カップルで子育てしていること」を隠すのをやめました。

なぜなら、子どもは親の背中を見るからです。

私たちがコソコソと隠れながら、ウソをつきながら生きているのをみたら子どもは何を思うでしょう?

きっと、「自分たちは悪いことをしている」と感じるに違いありません。

そんな生き方をしている親の姿を見て育ったら、自己肯定感も下がってしまいますよね。

だからこそ、「私たちはここにいる」と隠さず堂々と生きることに決めたのです。

私たちは今後、海外に住むことも検討しています。

理由は、子どもたちにもっと広い世界を見せたいからです。

「世界にはいろんな家族の形があって、幸せの形もそれぞれなんだよ」と伝えたいと思っています。

これから同性カップルで子育てを考えている方も、もしかすると周りにカミングアウトすべきか迷っている人もいるかもしれません。

これも正解がないものなので、「自分は親としてどういう姿を子どもに見せたいのか」をパートナーと話し合っていくといいかもしれませんね。

まとめ

まとめ

いかがだったでしょうか?

「精子バンク」は、数ある選択肢の中の1つに過ぎません。

とはいえ、日本では同性婚も認められておらず法整備もほとんど進んでいないため、「子どもを持ちたい」と願う同性カップルが選べる手段は限られてしまいます。

もっと自由に、楽しく妊活を行える環境が理想ですが、日本でそれを叶えられるのはあと何年かかるかわかりません。

そんな同性カップルにとって、安全にドナーから精子提供を受けられる「海外精子バンク」の存在はとても心強い存在です。

とはいえ、海外精子バンクを利用するハードルは未だ高いように感じます。

「ドナー選びは?」、「費用が高いイメージがある」、「本当に海外から日本に届くのかな?」といった不安もあったりしますよね。

そんな人にはなかなか聞きづらい内容を、実際に経験した私がブログにて解決することが自分の使命だと思っています。

このブログはまだまだ未完成なので、ぜひそういった疑問や不安なことがあれば是非記事にしていきますので「お問い合わせフォーム」からメッセージを気軽にして下さいね。

みなさんの「家族を作りたい」という夢が実現することを願っています。

【まとめ記事】精子バンクを使った妊活で知っておくべき5つのこと精子バンクについて網羅的な知識を知りたいですか?本記事では、LGBTQ当事者で3人の子の母である私が【精子バンク】について徹底的に解説しています。気になる費用、利用方法、心構えなど、これから妊活を始める同性カップルさんにいに是非見て欲しい1記事です!...