こんな疑問に答えます。
・LGBTQ当事者(バイセクシュアル)でもあり、3児の母。現在は同性パートナーと子育て奮闘中。妊活や出産の詳細は以下のとおりです。
・2018年に養子縁組、2019年に私が妊活を開始→2020年に第一子妊娠、出産。
・2020年にパートナーが妊活開始→2021年に第二子妊娠、出産。
・2021年に私が妊活を再開→2022年に第三子妊娠、出産。
同性カップルで「いつか子どもを持ちたい!」と考えている人は多いのではないでしょうか?
最近ではSNSなどで、同性同士で子育てしている人を多く目にするようになりました。
とはいえ、これから妊活を始めようと思っている人や、既に自身やパートナーが妊娠中の人の中には「同性カップルで出産する際の産院選びってどうしたらいいの?」、「立ち会い出産はできるのかな?」なんて疑問を持つ人も多いはず。
そうは言っても、インターネット上で「同性カップルの出産」に関する情報が少ないのが現状です。
私もかつては”同性カップルの出産”に関する情報を死に物狂いで検索しまくったうちの1人です…。
そんな過去の私のように迷えるカップルさん向けに、今回この記事を書くことに決めました。
記事内では、実際に同性同士で3人の子を出産した私が【同性カップルの産院選び・立ち会い出産・出産体験談】について詳しく解説していきます。
同性カップルで子どもを持つことを考えている人は是非参考にしてみて下さいね。
同性カップルが出産する際の産院選びについて
同性カップルが妊娠したら、どこの「産院」を選んだらいいのか分からず迷っていませんか?
結論から言うと、自分の好きな産院でOKです。
なぜなら、日本では妊婦さんなら基本的にどこの産院でも出産可能だからです。
なので「同性カップルだから断られる」といった心配はしなくて大丈夫です。
「家から通いやすい」だったり、「雰囲気が良い」、「ご飯が美味しそう」、「無痛分娩がある」など、自分なりの優先順位を決めて産院を選んでいきましょう!
ちなみに、私たちは3人ともバラバラの産院で出産しました。
こんな感じです(笑)
長女を妊娠した際には、「低置胎盤(※)」だったため、出産時に緊急処置の取れる総合病院を選んで正解でした。結果的に出産時に出血多量&貧血で輸血したので本当に良かったです…。
※「低置胎盤」:低置胎盤とは、胎盤が正常より低い(子宮口に近い)位置に形成されているものの、内子宮口を覆っていない状態をいう。前置胎盤と同様、妊娠中の出血や分娩時の大量出血を起こすことがある。
(引用:Medical note)
一方、パートナーが次女を出産する際は「コロナ禍」だったこともあり、感染リスクの少ない地域へ里帰り出産することとなりました。
三女の際は、産後の体力回復を早めるために「無痛分娩」のできる近所のクリニックで出産することにしました。
これらの経験から【それぞれの産院の種類と特徴】を簡単に紹介しておきますね。
①大学病院:最新医療設備が整い、スタッフの人数も豊富。MFICU(母体胎児集中治療室)、NICU(新生児集中治療室)などの緊急時に対応ができる最先端設備が備わっている。合併症・双子妊娠・高齢出産などの場合「大学病院」での出産を勧められることもある。
②総合病院:医師が多く、リスクのある出産でも何かあった時のための設備が整っているので安心。病院の規模も大きいので待ち時間が長め。
③個人病院:アットホームな雰囲気で、施設ごとにシャワー・トイレ付きの個室、豪華な食事などのサービスがあるのが特徴。妊娠が順調なら「無痛分娩」などの出産方法を選べる場合もある。
④助産院:助産師が入院から出産までを介助する施設。医師がいないため、医療行為は行えないが、緊急時には近くの産婦人科と連携が取れるようになっている。助産院では妊婦さんが健康で、妊娠中のトラブルがなく、普通分娩での出産が予想できることが大前提となる。アットホームな雰囲気。
出産は家族の「一大イベント」。
満足のいくお産となるように、パートナーとよく話し合って産院を選んでみて下さいね!
同性カップルで立ち会い出産することは可能?
これもまた気になるところですよね。果たして、同性カップルでも「立ち会い出産」は可能なのか?についてお話ししていきたいと思います。
結論から言うと、産院によるかと思います。
コロナ禍ということもあり、感染状況によっては「夫のみ」としている産院が多いのは事実です。なので、産院によって「同性パートナー」も配偶者のように扱ってくれる場合、扱ってくれない場合があるかと思います。
私たちは、「夫ではなくパートナーの立ち会い出産は可能か」を、早い段階で産院に確認していました。
事情を説明すれば「夫ではなくパートナーでもOK!」という産院は必ずあります。なので、どうしても立ち会い出産がしたい場合は、下記の方法を参考にしてください。
・事前に産院へ確認し、同性パートナーを承諾してくれた産院で出産する
・助産院などのアットホームで融通が効く産院を選ぶ
・パートナーを姉(もしくは妹)と偽り、立ち会い出産する
私たちは嘘をつくのが苦手でいつかボロが出てしまいそうなので、産院では初めから関係性をオープンにしていました。(というか、分娩予約のタイミングで家族構成を書かされるので誤魔化せなかったのです。笑)
とはいえ、カミングアウトが煩わしいと思うカップルは姉妹として立ち会いしても全然ありかと思います。
実際、私の知っているカップルさんは「姉妹」として立ち会いしている方がいました。
また、助産院は希望に沿ったお産をしやすい傾向があるので、そういった産院を選ぶのも1つですね。
これに関しては、完全に「ない」とは言い切れません。
実際、私のパートナーが里帰り出産した際に私は立ち会うことができませんでした。
その頃はコロナ感染者が急激に増えていたということもあり、パートナーが出産予定の産院では立ち会える人を「同居家族のみ」に限定していました。
少しややこしいのですが、里帰り先では「同居家族=パートナーの両親」という認識だったようで、私は同居家族とみなされず立ち会い出産を断られてしまいました。
繰り返しますが「立ち会い出産」を希望するなら、事前に病院へ確認を行うことをおすすめします。
同性カップルで3人の子を出産した私たちの出産体験談
さて、ここまで同性カップルの「産院選び」や「立ち会い出産」についてお話ししてきました。
ここからは、
という方向けに、実際に立ち会い出産を経験した私たちの体験談をお話ししたいと思います。
長女の出産編
長女を出産したのは、大きめの総合病院でした。
担当してくれた女医さんはとても気さくで、「同性カップルでの立ち会い出産」や「エコー同伴」も快く受け入れてくれました!
こんな感じで、結構前のめりで聞いてきました。(笑)
もちろん、助産師さんたちにもプライバシーを保護することを前提に私たちの関係を情報共有してくれていたので、母親学級にも2人で参加しやすかったです。
そして担当してくれた女医さん曰く、今まで一度も「同性カップルで出産した人」は見たことがなかったそうです。(結構大きい病院でしたが、それでも初めてのケースだそう)
それはただ単に、同性カップルで出産している人がまだまだ少ないのか、それとも「同性カップルであること」を隠して出産しているのかは分かりません。
次女の出産編
次女を出産したのはパートナーですが、「コロナ全盛期」ということもあり、安心して出産に挑める里帰り出産を選択しました。
私も長女も育休中だったので一緒に里帰りしましたが、残念ながら産院の決まりで「同居家族(パートナーの両親)」しか立ち会いNGとのことで泣く泣く断念しました…。
ちなみに、パートナーの病院でも私たちの関係をカミングアウトしましたが、やはりここでも「同性パートナーの出産」は初めてのことだそうです。
三女の出産編
三女の出産の際には「無痛分娩」のある人気のクリニックを選択しました。
というのも、1人目の時に32時間もの陣痛がトラウマになった為、もはや「無痛」しか考えられませんでした(笑)
「無痛分娩」はオプションなので、出産費用がプラス15万円かかりましたがやって良かったと心から思っています!
近所で「無痛分娩」可能なクリニックは限られており、かなり人気の産院だったため担当医が割といつも忙しそうでした。そのため、なかなか「同性カップルであること」を言い出せずにいました。
こんな感じでちょこちょこ「旦那さん」ワードが出てきます。その度にカミングアウトしようとしますが、あまりにも忙しそうだったので、結局妊娠6ヶ月頃まで言い出せませんでした。
とはいえ、「同性パートナー」として立ち会い出産は無事に許可され、パートナーも無事に立ち会うことができました。
ここでもやはり、同性カップルで出産した例は「初めて」でした(笑)
実を言うと、私たちは「養子縁組」を結んでいます。
なので、今回のお産で立ち会いできたのは「同性カップルでもOK」だったからかもしれないですし、「戸籍上の家族だったから」という可能性もあります。
なので、同性カップルでも立ち会い可能かは本当に産院次第なところもあります。もし不安なら産院に確認してみましょう。
まとめ:産院選びはパートナーとよく話し合おう
いかがだったでしょうか?
「出産」は家族にとっても一大イベントです。
人生でそう何回もある訳ではないので、とことん満足のいくお産にしたいですよね。
そのためには、しっかりとパートナーと「理想のお産」について話し合いましょう!
そして、もしも「立ち会い出産」を望むなら、事前の産院調査は欠かせません。
実際、出産は本当に命懸けです。
私はパートナーの支えがなかったら出産時に心が折れていたと思います。
さらに出産直後はホルモンの影響で「マタニティブルー」も一気に押し寄せてきます。
絶対にパートナーが「面会」もできるようにしておいた方がいいかと思います。
どうか「出産」という大切なイベントを2人で楽しみながら乗り越えてくださいね。
終わり!
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