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小さな子どもから大人まで!楽しく学べるLGBTQ絵本おすすめ10冊

子どもが小さいうちから「多様性」や「LGBTQ」を知ったり、考えるきっかけが欲しい!
親子でLGBTQについて楽しく学べる絵本を探している。
保育園や学校での読み聞かせに最適なジェンダー絵本があれば教えて欲しいな。

こんな疑問に答えます。

この記事を書いた人

・LGBTQ当事者(バイセクシュアル)で、現在は同性パートナーと0歳、1歳、2歳の3人の子どもを子育て中。
・子どもたちには小さい頃から「多様性」について考える機会を持ってもらうため、本記事で紹介する絵本を読み聞かせを行っている。(子どもたちのお気に入りは「ふたりママの家で」)
・この記事の筆者自身も、「子どもたちに自分のルーツを知ってもらうための絵本」を独自に執筆している。

子どもが小さい頃から、「多様性」「LGBTQ」を知る機会を作ることはとても大切です。

とはいえ、大人の口から説明するのは難しく、「性」をテーマに時話すことに抵抗を感じる人も少なくありません。

そこで、おすすめなのが「絵本」です。

最近では、海外・日本を問わず多くの素晴らしい「LGBTQ絵本」が誕生しています。

そこで本記事では、物語から実話まで【子どもだけでなく大人も一緒に楽しめるLGBTQ絵本】を紹介します。

記事内で紹介する絵本は、LGBTQ当事者である私が実際に子どもに読んでよかったもの、また少し大きくなったら読んであげたいものを厳選しました。

大人の口から直接口説明するよりも、「絵本」を通して伝える方が子どもたちの心にスッと入っていくはずです。

絵本をきっかけに親子で多様性への理解を深めていきましょう!

小さな子どもから大人まで!楽しく学べるLGBTQ絵本おすすめ10冊

小さな子どもから大人まで!楽しく学べるLGBTQ絵本おすすめ10冊

①ぼくらのサブウェイ・ベイビー
②ふたりママの家で
③いろいろいろんなかぞくのほん
④タンタンタンゴはパパふたり
⑤レッド あかくてあおいクレヨンのはなし
⑥ピンクはおとこのこのいろ
⑦せかいでさいしょに ズボンをはいた 女の子
⑧王さまと王さま
⑨あおいらくだ
⑩マチルダとふたりのパパ

①ぼくらのサブウェイ・ベイビー

あらすじ

8月の夜のこと。
ボーイフレンドとの夕食デートに向かうため、地下鉄構内を走っていたダニー。
しかし、床に「なにか」が置かれているのが目に入ります。ダニーはやがて、その「なにか」によって人生を大きく変えられ、心から大切に思うようになります。
ニューヨークの地下鉄でおきた奇跡の実話です。

こちらの絵本、なんと「実話」をもとに作られています!
ある日地下鉄で「赤ちゃん」を拾ったゲイの男性が、ひょんなことから里親となり、パートナーと育てていくお話です。
まるで映画の世界ですね(笑)
「子どもを育てる」なんて想定していなかったゲイカップルの2人が、肌の色が違う子どもと「家族」を築いていく姿に胸が熱くなります。
こちらの絵本は2022年春に、ようやく日本語版が出版された話題作です。

②ふたりママの家で

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あらすじ

「ふたりママ」のミーマとマーミーは、正反対の性格ながらも息ぴったりで、楽しいことを次から次へと思いつくお母さんたち。
ふたりの手にかかれば、ハロウィーンの手作り衣装だって、家族の食事会だって、野外パーティの企画だってお手のもの! そんな明るいふたりがいとなむ一家の日常は笑い声にあふれ、地域にしっかり溶け込み、親戚やご近所さんたちからも愛されています。しかし、ひとりだけ、一家に鋭い視線を向ける人が…?

同じく「ふたりママ」で子育てしている視点で読むと、共感の嵐です。
お話の内容はふたりママと3人の子どもとの日常を描いているので、ついつい心を重ねてしまいました。
本を読んでも分かるとおり、ママが2人であっても何にも特別なことはありません。
とても自然で明るい「ふつうの家族」なのです。
将来、パートナーと子育てしたいと考えているレズビアンカップルの方にも読んで欲しい1冊です。

③いろいろいろんなかぞくのほん

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あらすじ

世界中にはいろんな家族があります。一人親、祖父母と子どもたちだけ、大家族、LGBTの家族、ペットも家族に含めたり。住む場所も仕事も、家族の楽しみもいろいろ。どこのページを開けてもいろんな家族や暮らし方が発見できます。
楽しいイラストを見ながら、人類の多様性が分かる絵本です。

カラフルでキュートな絵を使って「他者との違い」を分かりやすく解説しています。
自分が思っている「あたりまえ」は、他の人からすると「あたりまえ」ではないことに気付くことができますよ。
「家族の形」、「住む家」、「宗教」、「障がい」など、あらゆる視点から多様性を学ぶことができます。

④タンタンタンゴはパパふたり

あらすじ

動物園にもいろんな家族がいます。
でもペンギンのタンゴの家族はちょっと違っていました。
ロイとシロのパパふたりとタンゴ、それがタンゴの家族なのです──。
ニューヨークにあるセントラル・パーク動物園で実際にあった話を絵本にした『and Tango makes three』の邦訳版です。
なかなかかえらない石のたまごを暖め続ける切なさ、待ちに待った赤ちゃんペンギンが生まれる瞬間、読み終わった後、ほんのりあたたかい気持ちになれる絵本です。

こちらの絵本は、まるで物語のような「本当のお話」です!
人であっても動物であっても「性別を超えて人を愛すること」、「家族を築きたいと思う心」があるんだな〜と、なんだかほっこりします。
実はこの絵本、米国図書館協会の「最も批判を受けた図書ランキング」の上位となり、子どもに読ませたくない本として話題になっていたのですが、読んでみると心が温まる素晴らしいものでした。なお、英国では多様性を学ぶバイブルとなっています。

⑤レッド あかくてあおいクレヨンのはなし

あらすじ

本当は青いクレヨンなのに赤いラベルをはられた「レッド」。
でも赤く塗るのが得意ではなくて…。誰もが本当の自分の色を探している。ありのままで輝くために、子どもにも大人にも読んで欲しい絵本。
本書はアメリカで数々の賞を受賞、アメリカ図書館協会のレインボーリス(LGBTの青少年向け推薦図書)にも選ばれました。

この本は、人やものを外見で判断することの危険性や、得意なものと不得意なものが誰にでもあることを教えてくれます。
私たちは無意識のうちに「男の子だから、女の子だから」や「一人っ子だから、長男だから」など、外側からの情報で判断して物事を決めつけていますよね。
男の子だからって、ズボンが好きとは限らないし、赤いクレヨンだからって、上手く赤色が描けるとは限りません。
本書はアメリカで数々の賞を受賞、アメリカ図書館協会のレインボーリスト(LGBTの青少年向け推薦図書)にも選ばれています。

⑥ピンクはおとこのこのいろ

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あらすじ

ピンクは女の子の色?男の子の色?
いいえ、すべての色はすべての人のもの。
SDGsの目標のひとつに掲げられた「ジェンダー平等を実現しよう」
色をテーマに、やさしい絵と文章でえがかれています。
日本文学研究者であり、様々なメディアで活躍するロバート キャンベル氏による翻訳。

「男の子だから」や「女の子だから」という時代はもう終わり!
ジェンダーレス時代の到来です。この絵本では、「色」を使って多様性をシンプルに伝えてくれます。そういえば私が小学校の頃、ピンク色の服を着ている男の子を見たことがないなぁ…、とぼんやり考えてしまいました。
それは、もしかすると「男の子だからピンクの服を着たら変だ!」と彼らが言われていたのかもしれませんね。この絵本では「好きなものは、男も女も関係なく好きになっていい」という大切なメッセージを受け取ることができますよ。

⑦せかいでさいしょに ズボンをはいた女の子

あらすじ

女の子がズボンをはく。今では当たり前のことが、許されない時代があった。そんなことって、考えられる? それも、たった150年前の本当の話。
女の子が着ることができたのは、きゅうくつなドレスだけ。動きにくいし、息をするのも楽じゃない。だけど、それがおかしなことなんて、みんな思わない……でも、メアリーだけはちがった! 彼女はズボンをはいて、町へ出かけた。すると、とにかくもう大騒ぎ。
「とんでもない!」
「ズボンなんかはいて、後悔するぞ」
みんなの言葉には屈しないメアリーだったけれど、やっぱり胸にささる。どうして、みんなが文句をつけるのかわからない。そんな時、お父さんが言ったのは……。

今は当たり前に女の子も履くようになったズボン。それが昔は当たり前じゃなかったなんて信じられますか?この絵本では、「女性はズボンをはいてはいけない」という常識に疑問を投げかけ、非難されても抵抗した少女の幼い日が描かれています。
後に女性初の軍医として活躍し、フェミニストとして知られたメアリー・E・ウォーカーという女性の実話です。何事も最初の一歩は勇気がいることですが、メアリーのように「おかしい」と思ったことに声をあげ、突き進む行動力に勇気付けられます。

⑧王さまと王さま

あらすじ

これまでいいお姫さまに出会ったことがなかった王子さま。
夜にまで続いた女王さまの説得に負けて、とうとう世界中のお姫さまと会うことになりました。
オーストラリアのお姫さまやグリーンランドのお姫さま、、いろいろなお姫さまが会いにきてくれました。みんなとてもユニークで素敵なお姫さまなのですがどうもしっくりきません。あきらめかけたそのとき、王子さまの胸がときめく人物と出会うのですが・・・。

絵本の中で「この地方の王子様はみんな結婚しているんだから、そろそろしなさい!」と言われたり、いろんな国のお姫さまとお見合いさせられたりしてもしっくり来ない王子様の姿を過去の自分と重ねてしまいました。
同性パートナーを持つ人にとって、絵本の中の王子はまさに自分自身なのです!
絵本では「必ずしも、結ばれるのはお姫さま(異性)でなくてもいいんだよ」、「好きになるのに性別は関係ない」という大切なことを教えてくれます。

⑨あおいらくだ

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あらすじ

旅に出たあおいらくだ。
ある日、茶色いらくだと出会います。 最初はお互いの違いに驚き、とまどいつつも、違うことの楽しさ、素晴らしさに気づいていきます。

カラフルで可愛らしい絵と、リズミカルな文章は小さな子どもへの読み聞かせにピッタリです。あおい色をしたラクダを始めは「ヘンテコ」だと思っていた茶色いラクダ。しかし、一緒にいるうちにあおいラクダの素敵な部分をみつけることができるようになります。
他者との違いを「素敵」だと思える、そんな心が育まれる一冊です。

⑩マチルダとふたりのパパ

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あらすじ

パールの学校に転校してきたマチルダ。
気の合う二人は早速なかよしになりますが、マチルダにはパパがふたりいると知りパールは驚きます。
「きっとうちとは違うクールな家族と生活を送っているんだろうなあ」と想像したパールでしたが・・・。

世の中には、パパとママの家庭だけでなく、マチルダのようにパパが2人の家庭もたくさんあります。
それが「特別」ではなく、むしろみんなの家となんにも変わらないということが描かれています。
わが家でもママが2人です。ですが、恐らく周りの家族となんら変わりないと思います。
イヤイヤ期の娘に頭を悩まされたり、トイトレはいつ頃始めたらいいか悩んでいたり、これはきっとみなさんと同じですよね?
絵本を通して「多様な家族のかたち」を考えられる内容となっています。

さまざまな視点でLGBTQを知ろう!

さまざまな視点でLGBTQを知ろう!
いかがだったでしょうか?

親子で楽しめそうな絵本は見つかりましたか?

ひとくちに「LGBTQ絵本」と言っても、絵本によってさまざまな切り口で伝えていることが分かりますよね。

もちろん、子どもだけでなく大人でも楽しめ、さらに深く考えさせられるような内容にもなっています。絵本を通じて子どもと対話し、理解を深めていってくださいね。

今こそ、子どもたちが幅広い視点で物事を見るために必要な「ジェンダー教育」を家庭で始めてみませんか?